なぜ小さい子はボタンを下から掛けるのか?
皆さんは、幼稚園ぐらいの小さい子が、服のボタンを下から掛けるのを見たことはないでしょうか?
じつはこの行動には大きな大きな意味が隠されています。
小さい子が服のボタンを下から掛けるのは、ボタンの掛け間違いをしないためです。
小さい子は服のボタンを上から掛けていくと、1段ずれてしまうことがよくあります。そうすると全部のボタンを外してもう一度掛けなおさなければならないからです。
ですから、視界から見えない一番上のボタンを正確に探すことの出来ない小さい子は、目で見て確認できる一番下のボタンから掛ける事で掛け違いを防いでいるのです。皆さんも小さいころはきっとボタンを下から掛けていたと思います。
ここでのポイントは、小さい子は誰からもその事を教わっていない、すなわち自分で考え出したという事です。親はボタンを上から掛ける方法しか教えていません。下から掛ける事も教える親がいたとしたら、それは立派な親だと思います。
ここまでの説明は、十分理解していただけると思います。
では質問です。皆さんは今ボタンを上から掛けています。なぜですか?子供の頃は下からボタンを掛けていたのに、なぜ上から掛けるようになったのですか?
この質問に速答できる人は少ないのではないでしょうか?
この答えは、ボタンを下から掛けていたのに、上から掛けるようになった子供は知っています。上から掛ける方がメリットがある事を知っているからこそ、変えたのですから。
ボタンを上から掛ける理由は、掛けやすさ(=スピード)が違うからです。ボタンを下から掛ける場合、服の下側は首周りより広いですから、ボタンを掛けるには前に持ち上げて掛ける必要があります。1番下のボタンを掛けて、下から2番目のボタンを掛ける場合、1番下のボタンを頼りに2番目のボタンを探します。この時に2番目のボタンを探すのは大変です。
上からボタンを掛ける場合は、首に服が引っかかるので、左右の手を下に動かすことで2番目のボタンをすばやく見つけることが出来ます。
小さい子は1番上のボタンを見ることが出来ないので、掛けやすさを捨てて、手間は掛かるが掛け違いをしない下のボタンから掛けることを選んだのです。
ここからが結論ですが、小さい子でもしっかり考えることが出来るし、それを実行することも出来ます。そしてその人の状況によって、良い選択が違うという事です。そしてその選択は、いつまでも同じではないという事です。
小さい子でも分かることが、大人には分からない事があるという事です。
これをいろんな場面に当てはめてみてください。
何も考えずに行うよりは、考えて行ったほうが良いこと。出来る範囲内で出来ることをすべきであること。いつまでも同じ事をしていてもだめな事などです。
補足
小さい子が服のボタンを下から掛ける場面に出会ったら、よく観察してみてください。おそらく母親に背を向けてボタンを掛けています。なぜでしょうか?
母親はボタンを上から掛けるようにしか教えていません。そして掛け間違いをした子供に対してその事を叱っています。
子供はここで問題にぶつかります。 掛け間違いをして叱られたくない。確実に掛けるには下から掛けなければならない。下から掛けると、それに対しても叱られる。
その結果、下からボタンを掛けるのを見られないように、母親に背を向けてボタンを掛ける用になります。
ボタン1つ掛けるのにも、その理由や背景を考えると色々な事が分かって楽しいと思いませんか? 皆さんもいろいろな事に考えをめぐらせて見てください。