矢の調整について
掲示板に矢の調整についていろいろな議論がありましたので、その内容をもとにわかりやすく説明したいと思います。
掲示板に下記のような書き込みがあったのが発端です。
雑誌アーチェリーでパーフェクトアローなるものが載っていましたので手持ちの矢を重量測定してみましたら、なんと!0.3gもばらついていました。でも0.3gて90mでどの位影響する?教えて下さい。
これに対してMassyさんから貴重なアドバイスがありました。
0.3gもばらつきがある。と言うことですが、全体の重量から考えると、一般的な矢の場合、カーボンで250-270grain、アルミで330-350grainです。1グレイン(1grains)=0.0648g (1/7000ポンド)0.3g、すなわち±0.15グラムは±2.3grainと言うことになります。
制度の高いアルミニウムアローのX7エクリプスでも誤差はシャフト(29インチ)だけで2grainあります。カーボンでは誤差はシャフト(29インチ)のみで±0.5grainが規格値です。
ですからカーボンシャフトで新品同様の使用期間の短いものでしたら、作成上ののばらつきとしては大きすぎます。 しかし、どんなにシャフトを正確に重量を揃えたとしても、当然新品の矢と使用している矢で違ってきます。使用していれば摩耗していき、1年も使用していると15gr以上軽くなるシャフトもあります。
Massyさんは、矢の作成時には±0.2grain以内を目標としているようです。これ以上は計りの精度で正確にはならないし、そこまで正確にする意味はないからだそうです。
Dave Cousinsは±0.5gr以内に調整していると聞きました。シャフトにとって大切なことは、真直性能、重量だと思います。パーフェクトアローを手にしても、シューティングがパーフェクトに近いものでなければ意味がありません。
実際に0.3gの違いが90mでどの程度影響するのかは、無風時にシューティングマシンで実験しなければ正確な違いは分かりません、何より一番大きな不安定要素は人間自身ですから。
Massyさんの実験によると、ポイントを10grain重くして90mを射ったところ着弾地点は40cm近く下に下がったそうです。その時のグルーピングの大きさに変化は無かったようです。
プラクティス用のシャフトのばらつきを計ってみましたがプラスマイナス4.0grainありました。試合では使用できない範囲ですが、通常の練習だったら全く問題ありません。しっかり射てば70mで10点が狙える範囲のばらつきでしょう。
上手くなりたかったら、何より大切なことは、シューターになることです。どんなにすばらしいデータが手に入っても、アウトドアでは二度と同じ条件はありません。弓と自分を信じてShootする事です。
また、しんちゃんからも貴重なアドバイスをいただきました。
つまり実際に矢を使ってどうもこの矢だけ決まった方向にずれるということが練習でわかるならその矢を大会で使用しなければいいだけです。その矢は、あなたの実力でわかるほど矢の状態がおかしい矢(ばらついている)ということになります。
また矢1つについても単純に重さだけでは言い表せない要素があります。同じ重さでも矢の重量配分でポイントのように先端に影響があると特に垂れる傾向が出ます。 ただ、重さだけを注意しても矢そのものの堅さについても同じ番手であってもばらついており、シャフトの条件、羽根の状態、ノックの状態など矢の完成度をいくら上げても所詮人間が自然の気象条件の中で射っているのですから、機械化された方法で製作された矢はそんなに気にしなくてもいいのでは無いかと思います(厳密には1射ごと矢は劣化していますから、毎回新品を使うわけにはいかないからです)
Massyさんのいうとおりあなた自身を信じてあまり小さなことを気にしないほうがおおらかにうてます。回数が多い矢は矢が劣化して矢の堅さがだんだん変化しているようです。
重さのばらつきはある程度以内ならその他の要素もあるのであまり気にしないことがいいですね!選手によって非常に気にするのは精神的に安定するためが大きいかもしれません。矢に不安があったら精神が集中できませんからね。1200点クラス段階でしたら重さのことよりシャフトの劣化、ポイントの痛み、ノックの状態、羽根の曲がりやはがれなど矢の状態に注意するほうがいいと思います。数グレンのことよりよっぽど影響が大きいですから。
矢は重さだけでなくFOCとスパインマッチングなどいくつかの調整点がありますがまずはのびのび射ちましょう。
ここでFOCと言う用語が出てきました。これの説明をしんちゃんから
これは矢のセッティングの状態を表す指標です。矢の重心が何処にあるかを表しています。
矢の速度と言うものは一つの重要なチューニングポイントだと思います。このとき弓の強さや引き尺レットオフなどをいじらなければ早さに対する変更点は矢の重量になります。このときシャフトは弓の強さと好みで固定されたとすると、その他の重量で全体の重さが決まることになります。


FOC=青い部分の長さ/矢全体の長さ*100(%)になります。
FOCが25%以上になると、飛行安定性が増加し羽根が無くてもまっすぐ飛ぶようになります。矢は単純に真直ぐな棒ではなく羽根がついていますから、FOCが少しくらいマイナスでもなんとか矢は飛びます。飛行力学上の重心より後ろに矢の重心があれば、矢は逆さに飛ぶことになります。
今までに何度となくポイントの重量を変えたことはありますが、実は自分の矢のFOCは何%なのかは計算したことはありません。矢の全体の飛び方を見てポイント、羽根、ノックをいろいろ試して、今の自分に一番合っていると思われる矢を選択します。ですから、リリースやフォームが変わればそれに合った矢を選ぶようにしていますから、1ヶ月前はビーマンの矢、今はACEの矢という事もちょくちょくあります。
2000年5月の掲示板から抜粋・一部変更