全日本選手権、初優勝までの軌跡

 全日本での初優勝までの軌跡、そしてその時の思考、心の動きを紹介します。
これはあくまでも一つの例であり、万人に共通するかどうかわかりませんが、全日本チャンピオンというタイトルを目指す皆さんに私自身の第12回全日本アーチェリー室内選手権・CP部門男子優勝での経験を紹介したいと思います。
 予選・決勝の詳しい結果はこのホームページの記録保管所(2003全日本インドア)を参考にして下さい。こちら

予選当日

 春の暖かさを少し感じられるようになった3月下旬、第12回全日本アーチェリー室内選手権が静岡で開催されました。(2003年3月22-23日)
 静岡は岐阜からわりと近いので当日の朝に、クラブの仲間と待ち合わせて車で会場まで移動です。
 会場の浜松アリーナは、静岡インドアの会場で、過去に何度か行ったことがあります。
 まず会場に着いて、受け付けを済ませます。ゼッケンとパンフレット、参加賞を受け取ります。かるく準備体操、そして久しぶりに会う選手に声をかけます。
 試合では準備を早く済ませて落ち着く為に、公開練習がいつ始まっても良いように、弓を早く組み立てた方がいいのかも知れませんが、今回は練習開始までに1時間以上時間があったので、のんびりしています。(時間が無くてものんびりしていますが・・・)
 試合当日だけたくさん練習しても、すぐに実力が上がるわけではなく、大まかな結果は試合の前日までの努力で決まっていると思っているので、普段の試合でものんびりしています。
 弓具検査の人数が少なくなったのを見計らって、弓を組み立て始めます。CPボウなので、サイトとセンターを付ければ終了です。弓具検査はすぐに終了します。1分も掛かりません。CP部門は弓の強さに制限があり、60ポンド以下でないといけないので、ポンドスケールを使って計測します。自分の弓は51ポンドぐらいに設定してあるので、ポンドスケールが多少の誤差を含んでいてもまったく問題は有りません。測定結果は54ポンドでした。
 今回の試合はまずフリー練習があり、その後に開会式がありさらにその後フリー練習があります。
 初めのフリー練習。1回120秒、立ち交代無しで矢取りを繰り返します。始めの3射ぐらいは、体をほぐす事に重点を置きます。その後グルーピングを見ます。かなりいいグルーピングです。予選通過の得点を570点ぐらいと予想していたので、3射平均28.5点。10点に50%以上入れば合格です。1回の練習で、4本射を3回程行いました。このときは29点平均以上(10点に70%ぐらい入っていた。)だったので練習は1回おきにしました。無理に練習する必要が無いからです。その後の練習は3本射にしましたが、29点平均ぐらいでした。普段の実力から言って、ちょっと出来すぎです。そして少し落ち着きました。予選を通過して、明日の決勝に残ることが出来そうに思えたからです。ですが気は抜けませんCP男子は上位8名が予選通過ですが、実力者はたくさんいるし、(今回の出場者20名の申請得点で言えば、自分は20人中11番目でした。)インドアは本数も少なくちょっとした事で、すぐ順位が入れ替わるからです。
 開会式が始まりました。開会宣言、優勝カップ返還など普段道理に進行していきます。ですが開会式の終了時に、「45歳以上の国際大会出場制限の撤廃」をもとめて、全日アーチェリ連盟に対して古橋照司さんら発起人が、請願書と署名名簿(1313名)を手渡しました。
 2回目のフリー練習。これは1回120秒、立ち交代を行なって矢取り。を繰り返します。この時も好調だったので、無理に毎回行射は行ないませんでした。

予選開始

 そして予選開始。いつもの事ながら緊張します。(足が震える程ではなく、少しドキドキする程度です)大切な1本目、本番になっても練習のように出来るかどうかを見極める大切な射です。8点とか7点なら舞い上がっているか、極度の緊張に襲われている事になり、勝負どころではないからです。
 いつもより少しだけエイミングが長かったですが、10点。過度のプレッシャーを受けていないのを確認できたので一安心です。続く2射目も10点、3射めも10点の30点。上出来です。とりあえず暫定トップです。そして次が28点。計58点。悪くありません。この時はまだ速報が出ていないので正確な順位はわかりませんが、3番以内だと思いました。(1人くらいは59点を出していると考えたからです。)そして29点、30点の59点と続きました。この時ぐらいに6射の速報が後ろに張り出されました。58点は2名いて、同点のトップです。そして今59点だったので、単独トップは間違い有りません。そして次は29点、29点の58点。はっきり言って日本新記録並のスコア―です。

スコア―と順位の移り変わりを下に示します。
得点 6射時の順位 得点 12射時の順位 得点 18射時の順位 得点 24射時の順位 得点 30射時の順位
58 近藤英之 117 近藤英之 175 近藤英之 232 近藤英之 287 近藤英之
58 竹村公作 115 竹村公作 172 竹村公作 228 竹村公作 286 塚本恭司
57 塚本恭司 115 安治直人 172 安治直人 228 塚本恭司 285 竹村公作
57 鈴木雄一 114 塚本恭司 171 鈴木雄一 228 種部浩司 285 種部浩司
57 種部浩司 114 種部浩司 171 種部浩司 228 近藤均 284 近藤均
57 松田章仁 114 松田章仁 171 共田泰仁 227 安治直人 283 坂下眞
57 安治直人 113 鈴木雄一 170 塚本恭司 227 山本昇 283 安治直人
56 坂下眞 113 坂下眞 170 松田章仁 227 共田泰仁 283 共田泰仁
56 山田彰 113 山本昇 170 山本昇 226 鈴木雄一 282 鈴木雄一
56 山本昇 113 工藤勝浩 169 国光英徳 226 国光英徳 282 松田章仁
56 近藤均 113 伊藤祐幸 169 伊藤祐幸 225 坂下眞 282 国光英徳
56 古川慎一 112 近藤均 168 坂下眞 225 松田章仁 282 山田彰
56 河村雅也 112 共田泰仁 168 近藤均 225 伊藤祐幸 281 山本昇
55 国光英徳 111 山田彰 167 近藤寛 224 山田彰 280 伊藤祐幸
55 上岡隆真 111 奥野明 167 山田彰 224 工藤勝浩 278 近藤寛
55 奥野明 111 河村雅也 167 工藤勝浩 223 近藤寛 278 工藤勝浩
55 工藤勝浩 110 国光英徳 166 上岡隆真 222 上岡隆真 277 上岡隆真
55 伊藤祐幸 110 上岡隆真 166 古川慎一 221 古川慎一 277 奥野明
54 近藤寛 110 古川慎一 165 奥野明 220 奥野明 276 古川慎一
54 共田泰仁 109 近藤寛 164 河村雅也 217 河村雅也 271 河村雅也
得点 36射時の順位 得点 42射時の順位 得点 48射時の順位 得点 54射時の順位 得点 60射時の順位
345 近藤英之 400 近藤英之 457 近藤英之 515 竹村公作 573 竹村公作
343 塚本恭司 400 塚本恭司 457 塚本恭司 515 塚本恭司 572 塚本恭司
341 種部浩司 400 鈴木雄一 457 鈴木雄一 515 鈴木雄一 571 鈴木雄一
341 安治直人 399 坂下眞 456 竹村公作 513 坂下眞 569 坂下眞
340 竹村公作 398 竹村公作 454 坂下眞 513 近藤英之 569 近藤英之
340 鈴木雄一 397 種部浩司 454 種部浩司 510 安治直人 568 種部浩司
340 坂下眞 397 安治直人 454 安治直人 509 種部浩司 565 松田章仁
340 近藤均 397 近藤均 453 山田彰 509 国光英徳 565 安治直人
339 松田章仁 395 国光英徳 453 近藤均 509 山本昇 564 国光英徳
338 山田彰 395 山田彰 451 国光英徳 508 近藤均 563 近藤寛
338 山本昇 395 山本昇 450 近藤寛 507 松田章仁 563 山田彰
337 共田泰仁 394 松田章仁 450 山本昇 507 近藤寛 563 山本昇
336 国光英徳 394 伊藤祐幸 449 松田章仁 507 山田彰 563 近藤均
336 伊藤祐幸 391 近藤寛 449 伊藤祐幸 506 上岡隆真 562 上岡隆真
335 奥野明 391 上岡隆真 448 上岡隆真 505 伊藤祐幸 560 奥野明
335 工藤勝浩 391 奥野明 448 奥野明 504 工藤勝浩 560 工藤勝浩
334 近藤寛 391 工藤勝浩 448 共田泰仁 503 奥野明 560 伊藤祐幸
334 上岡隆真 391 共田泰仁 447 工藤勝浩 503 古川慎一 559 古川慎一
334 古川慎一 388 古川慎一 444 古川慎一 503 共田泰仁 557 共田泰仁
325 河村雅也 379 河村雅也 432 河村雅也 485 河村雅也 540 河村雅也

 前半30射の最後の3射、これをすべて10点に入れれば290点の大台に乗ります。「よーし、狙ってやる。」そう思って狙ったのですが結果は9、9、9の27点。287点で前半終了です。目標が285点だったので、2点ほどプラスですが、予選通過を考えると、この時点で5点の貯金が出来たのです。(予選落ちの9位との得点差)
 さてこの時トップである本人は余裕を持っていたかというと、余裕はそんなに持っていませんでした。まだ予選落ちの影におびえていたのです。ではどの時点で予選落ちの影におびえなくなったかというと、48射終了時、すなわち残り12射で4点の差があった時です。
 さて後半戦がはじまり、得点が低調ながらも前半の貯金でトップをキープしていたのですが、後半12射で同点に追いつかれてしまいました。しかしながらしぶとく同点首位を保っていたのですが、54射終了時についに首位から転落。予選終了すなわち60射終了で5位。無事予選通過です。
 後半戦は前半に比べると精度が落ちていました。押し手が止まらないとか、リリースが上手く出来ない(リリーサーを上手く使えない)のではなく、狙った所に矢が飛んでいかないのです。原因は不明です。前半のイメージが強すぎて、後半は実力並なのに、当たっていないと思っていただけかもしれません。
 後半戦は282点と希望の点285点より3点悪いですが、目標の予選通過を達成したので良しとします。ただ、後半の精度で明日の決勝に臨むなら、勝利は難しいと感じていました。
 弓を片付けてホテルに戻ります。車でおよそ20分ぐらいです。とりあえずホテルに着いてから東海地区コンパウンド御一行のメンバーで夕食を食べに行きました。静岡はウナギのメッカなのでとりあえずうなぎ料理店に行きました。北海道の選手一行がすでに先客として入っていました。
 まあとりあえず宴会が始まりました。僕は普段アルコールを全く飲まないので、こういった席でもほとんど飲みません。会社の新年会、新人歓迎会などの時しか飲まないので、年間でビール瓶4-5本分ぐらいしか飲みません。(自宅で飲むことはまずありません)
 3年ほど前までは試合に来たメンバーと一緒に飲んでいましたが、普段飲まないのに試合に来て飲むというのは、いつも違う事をしていることになるので、いつもと違うということはよくないと思い、それ以来試合に来てもアルコールは飲まないようにしています。予選敗退で翌日が応援の時なら少しはアルコールを飲むかも知れません。
 ホテルにもどってのは21時を少し過ぎたころでした。はっきり言って疲れています。試合で疲れたというよりは車の運転で疲れたのではないかと思います。22時ぐらいでもう寝てしまいました。

予選の素点です。

決勝当日

 試合会場に行きます。今日の調子(精度)を見る為に練習を始めます。「い・いかん。狙った所に矢が飛ばない。」左右へのばらつきが大きいのです。何回もシューティングを行ないましたが、精度はよくなりません。10点には3本に1本しか入りません。(28点平均)そのうちに取り掛けのリリーサーの傾きが悪いのかも?と考えて、少しリリーサーを顔に引き付けるようにしました。少し精度が上がった気がします。10点に約半分くらい入るようになりました。欲を言えば優勝を狙う為にはもう少し高い精度が欲しいですが、実力的には10点に半分くらい入れば上出来です。後はなるようにしかならないと思ったので、練習はここで終了。
 CP男子の出番はRC男子の1回戦、RC男子、女子の2回戦が終わった後なので、少し時間があります。インドアといえばアルミ矢というのが定番でしたが、今年はカーボン矢が多く、予選を勝ち残ったRC男子32名の内で、アルミ矢はわずか2名でした。(その内の1名が優勝しましたが・・・)RCの2回戦の時に1回戦で惜しくも敗れたRC男子予選トップの塚本廉之君(慶応義塾大学)と話をしました。同じ県なので、今年の静岡国体に向けて、県内の国体選考などについてです。その時にこのHPを見て矢はカーボンに決めたという事を聞きました。感動です!このHPが全日本に出場する選手に影響を与えていた事を知ったからです。ひょっとすると、あと何人かもこのHPを見て カーボン矢にしたのかもしれません。もしそうならとても嬉しい事です。もしそうなら日本のアーチェリーに貢献したことになるからです。 大げさかも知れませんが、文化に影響を与えたことが嬉しかったのです。

準々決勝

 相手は坂下眞さん(愛知県)同じ東海地区なので、試合で何度も顔を合わしています。予選の得点は同点なので、勝率は50%。ともかく頑張るしか有りません。といっても出来ることはあまりありません。逆に、緊張しない、焦らない、エイミングを長くしないなど、してはいけないことをしない事が大切です。
 始めのエンド、28点。対する坂下さん27点、1点差がつきました。次のエンド、28点。10点に3射に1本しか10点に入りません。このペースではいつ逆転されてもおかしくありません。28点をキープしていましたが、29点以上が出ないことに内心は焦っていました。次のエンドも28点。そして次も28点で、12本はあっという間に終わってしまいました。試合は最初の1点差がそのまま最後まで続いた結果になりました。ともかく勝利したことはうれしかったですが、その時の感想は1歩前進しただけ、予選の順位(同点4位)をキープしただけ、そう考えていました。

準決勝

 相手は予選トップの竹村公作さん(奈良県)です。始めのエンド、30点。対する竹村さん28点(10・10・8)。いきなり2点差がつきました。のこり9射で2点差は大きいです。予選では10点と9点しかなかった竹村さんが8点を打ったことに対して、大きな大会での初舞台に緊張しているのだろうか?などと相手の事を考えていました。結果は115点と112点の3点差で、決勝へのキップを手にしました。得点を見てみると115点と高得点ですが、運が良くて10点の得点帯にわずかに触っているものが多く、グルーピングから言えばあまりよくはありませんでした。
 これで2位以内確定です。そしてこれからはじまる決勝戦出場に心震えていました。

決勝戦前

 対戦相手は種部浩司さん(安井貿易)、どちらが勝っても初優勝です。種部さんは準々決勝、準決勝共に114点と安定しています。おそらく本人としては114点以上が出ない事を恨めしく思っているはずです。
 CP男子の決勝戦は、CP女子の決勝戦の後に行なわれます。そのCP女子の決勝戦の時、体をほぐすつもりで練習場に行きます。練習会場では次の決勝戦を控えた種部、近藤の2名しかいません。ここで種部さんに聞きました。「先攻・後攻、どちらがいいですか?」なぜこういう質問をしたかというと、僕は先攻・後攻のどちらでもいいので、種部さんに好きな方を選んで欲しかったからです。種部さんは後攻がいいとの事。決勝戦では交互に行射するので、先攻・後攻を決める権利をコイントスで決めますが、その時に種部さんがその権利を得れば、種部さんは後攻を選べばいいし、僕がその権利を得た場合僕は先攻を選べばいいのです。
 過去に何度か決勝戦に臨みましたが、必ず相手が欲する方(先攻・後攻)になるようにしてきました。皆さんは、別に相手の事など気にしなければいいと思うかもしれません。ある意味これから戦う相手は敵なのです。ですから相手の事など気にする必要はありません。ではなぜ敵に有利な選択を与えるような事をしたかというと、対戦相手には十分な実力を発揮してもらって、なお且つその上で自分が勝利したいと思っているからです。相手は日本タイ記録、自分は日本新記録。そういう試合をして日本チャンピオンになりたいと思っているからです。これはあくまで理想(限りなく夢に近いですが・・・)の話であって、現実はなかなかそうはなりません。おそらく自分のエゴを満足させる為だけの行為かもしれません。タイトルが欲しい、アーチェリーで日本チャンピオンになりたいというのも、歴史に名を残したいという自己満足だと思います。

決勝戦

 選手の紹介があって、先攻・後攻を決めるコイントスを行ないます。種部さんが権利を有し、後攻を選びました。
 先攻、近藤。9点、9点、9点。相手の矢を双眼鏡を使って見る余裕は時間的に無いので、肉眼で見るしかないのですが、よくわかりません。矢取りに行きます。27点対、28点。1点負けています。この時の心境は、「この勝負、負けかな?」そう思いました。1点負けたことより、10点に1本も入らない事がそう思わしたのだと思います。同じ1点差の28点対29点だったら、「勝負はこれから」そう思った事でしょう。
 次は後攻です。ここで目標を立てました。「3本の内、1本は10点に入れる。」たとえこの3射で得点差が広がっても気にしない、残り6射で追いつこう。そう考えました。この目標が達成できないと、勝負どころではないからです。それはプレッシャーに負ける事になり、永久に10点に入らないと思い込んで、事態はさらに悪くなってしまうでしょう。なによりプレッシャーに負ける=自分自身に負る事になるのがいやだったのです。
 種部さんの1射目はおそらく10点。「10点に入れないと2点差かー」プレッシャーがかかります。2エンド目、第1射。10点。ギャラリーの反応で得点がわかります。10点に入れるという目標を達成。2射目、9点。2エンド目先攻の種部さんの得点は29点、ここで10点に入れないと2点差になるのは1射目と同じですが、この時は得点差の事は考えていませんでした。これを入れると1エンド・2エンドの合計が56点になる、そう考えていました。つまり27点+29点なのですが、28点+28点と思い込むことが出来る。3射の内10点に1本も入らなかった27点を忘れることができ、3射の内1本は10点に入れていると思い込むことが出来るからです。そして3射目、10点。
 得点差は1点差で変りませんが、気分的にはかなり違います。10点にも入るし、3本中1本は10点だからです。
 再び先攻です。1射目、10点。ギャラリーの歓声が沸きます。2射目、10点。3射目、9点。対する種部さんは28点。合計85点対85点、同点です。残り3射の勝負になりました。「勝てるかも。」日本チャンピオンのタイトルが脳裏をよぎります。
 最終エンド 先攻種部さん、10点。後攻近藤、10点。いい勝負です。続いて種部さん、9点。近藤、10点?きわどい所でよくわかりません。最終射、種部さん、9点。そして僕の最終射、2射目の得点が10点でも9点でも、これを入れれば確実に勝ちです。エイミングに集中しますが、サイトピンは下の9点の所から上に動いてくれません。エイミングが長くなります。エイミングが長くなるとよく無いので、3秒以内に打つことに決めました(サイトピンが10点についていなくてもです)。「3・2」カウントダウンが始まります。ですがサイトピンは相変わらず下の9点の所にあります。「1・0」弓を上にあげつつリリーサーのトリガーを落とします。矢は上の9点。
 こうなると2射目の得点にかかっています。矢取りに向かいます。近くに寄ってもきわどいところに刺さっています。審判のコール。「10・10・9」念願の初優勝です。
 左の的は決勝戦で使用した実際の的です。

初優勝

 さてその時の感想ですが、優勝の感激は予想していたよりも感動的では有りませんでした。優勝できなかった時の悔しさは何度となく味わっていたので、優勝の喜びはその何倍にも匹敵すると思っていたのですが、現実はそうでもなかったです。優勝したからといって、試合前の自分と試合後の自分はどこも変っていないからです。ただアーチェリーの歴史の片隅に自分の足跡を残せることが出来たことをうれしく思っています。

 優勝の実感は徐々に沸いてくるといいますが、優勝してから2週間が経ちますが、優勝の実感はあまり沸いてきていません。連覇に向けて意欲を高めているかというと、そうでもありません。これが初出場、初優勝ならかなり違った事になっていたかもしれません。だた自分でも気づかないところで変化が起こっているかも知れません。多分変化が起きていると思います。どこが変ったかわかりませんが・・・。

 以上が第12回全日本アーチェリー室内選手権・CP部門男子を制した選手がどのように感じ、どう思ったかを紹介したものです。全選手に共通するものでも無いと思うので、一つの例として参考にして下さい。

洋弓学校 に戻る  

Archery City に戻る