カムバランスについて。
コンパウンドの大きな特徴であるカムについて、カムバランスについて質問がありましたので、ここで個人的な見解を述べさせていただきます。
カムとはコンパウンドボウの上下についている滑車の事です。
上下についたカムのバランスを取ることもチューニングの1つになります。

矢を引く部分が弓の中心である場合、話しは簡単で上下を完全対称にすればほぼ問題はありません。ところが弓の種類によって、矢を引く部分が弓の中心で無い場合があります。(実際は中心になっている弓の方が少ないのですが)その場合はいくつかの問題が発生します。
そこでまず矢を引く部分が弓の中心でカムのタイミングがずれた場合どのようになるかというと、下の図1のようになります。(横方向に引き尺、縦方向に強さ)上下の2つのカムの力を合成したのが下の図2になります。


図2の赤い線と黒い線を比較すると、フルドロー時の弓のポンドオフ率やバレー(谷の部分)の幅が違ってきます。ピッタリ合わせてある場合ポンドオフ率が高く、バレーもシャープになっています。カムがずれているとポンドオフ率がやや少なく、バレーの幅が広くなります。
次に矢を引く部分が弓の中心で無い場合、カムは下の図4のように動きます。図3の中心で引いた場合の動きと比較して見て下さい。判り辛いかもしれませんが、カムの動きが異なり、フルドロー時のカムの回転角度が上下同じではありません。その場合引き尺と強さの関係は図5のようになります。


そこでカムのバランスを調整すると言う作業が必要になります。大きく言って調整方法は矢が離れる時にタイミングを合わせるか、フルドロー時にタイミングを合わせるかの2つがあります。矢が離れる時にタイミングを合わせた場合、図6・7のようになります。フルドロー時にタイミングを合わせた場合、図8・9のようになります。




どちらが良いかと言うと、これは個人の好みによります。矢が弓を離れる瞬間をシャープにしたい場合、矢が離れる時にタイミングを合わせた図6・7のセッティングにした方が良いと思います。エイミング時の狙いやすさを求める場合、バレーがシャープになる図8・9のセッティングにした方が良いと思います。
カムバランスについて私の友人(全日本チャンピオン)からも貴重な意見をいただいたので載せておきます。
「自分の経験を申し上げますと、結論から言ってきちんと両方のカムがウォールに達するまで引けていれば多少カムタイミングがずれたところでグルーピングに差は出ないように思います。ただカムタイミングがずれるとウォール感が2段階になりちょっと気持ち悪い、それと発射時の弓がうるさく(振動が大きく)なるようには思います。」
この意見には私も賛成で、カムバランスで変わるのはグルーピングよりフィーリングの方かもしれません。