学習・講座・活動 教育情報紙「教育ぎふ」 教育データ 支部・専門部 リンク
●岐阜県教職員組合第16回定期大会議案
今こそ 守り、生かそう 憲法・教育基本法
2006年度方針 専門部の方針
情勢

はじめに
 子どもの、教職員の不安や悩みが聞こえてきます。忙しすぎて心も体も病んでいる人が多くいます。その人たちを励まし援助する余裕がありません。それどころか退職を迫られ、賃金まで格差を付けるというのです。岐阜県教職員組合は、みなさんの声を集めて改善の取り組みを行います。みんなで論議しながら活動の方針を決めます。今年の議案書(情勢)の主題は「格差」です。多くの皆様にお読みいただきのご意、組合内外の方々から見・ご批判を歓迎します。

I格差で歪む子どもと教育

 「潮目」が変わった。選挙時には「小泉改革」をもてはやしてきた新聞・雑誌が、「小泉改革」の負の部分を報道し始めた。「所得格差拡大」「地域格差拡大」「格差社会」の見出しがおどり、「小泉政権発足後格差拡大」と書くようになった。
 朝日新聞(2/6)の世論調査によると、七四%の人が「所得格差が広がってきている」と答え、八一%の人が「お金に困るかも知れない不安」を感じると応えている。その一方で、「競争は活力を高める」「挽回できない社会だとは思えない」との見方も六割を超え、競争社会にかなり肯定的である。小泉首相は、「いわれるほど日本社会に格差はない」「格差拡大は誤解だ」と言っていたが、最近では「格差はどの国でも、どの時代でもある。必ずしも格差があるから悪いということではない」と言い出した。小泉政権は、日本社会の格差を拡大している。一握りの富める者は一層富み、貧しい者は一層貧しくなっている。


1 .パート・アルバイト・派遣・請負など正規雇用以外の労働者の激増
非正規雇用労働者の割合は、一九九七年には二三・二%だったが、二〇〇四年には三一・四%に急増している。そして、フリーター・ニート・引きこもりなどが五〇?一〇〇万人もいるといわれている。貧困層と富裕層の「二極化」が拡大し続けている。「二極化」といっても、圧倒的な部分は貧困層である。企業は正規雇用を非正規に置き換えている。労働力調査によると、一九九八年と二〇〇五年を比較すると正規雇用三七九四万人↓三三三三万人(四六一万人減)であり、同時期で非正規雇用一一七三万人↓一五九〇万人(四一七万人増)となっている。貯蓄ゼロの世帯が二三%もあり、生活保護世帯は十年前六十万世帯が現在百万世帯を超えている。今年の一月三日の朝日新聞は、一面トップで「就学援助四年で四割増」と報じました。岐阜県の子どもたちも大変な状況である。岐阜県の生活保護率は、一九九七年には一・七%だったが、二〇〇五年には三・〇八%と激増し六,五一九人に上っている。岐阜市では七・九五%である。岐阜県の小中学校生徒で就学援助を受けているは、二〇〇〇年に三・五%だったが二〇〇五年には五・四二%に跳ね上がり、岐阜市や北方町では一〇%を超えている。「授業料が納められなくて退学した」「経済的理由で、修学旅行に行かない生徒がいる」「サラ金に追いかけられて夜逃げした親がいる」「高校生のアルバイトと祖父母の年金だけで生活している家庭」などと聞いてきたが、「小泉構造改革」は経済格差を拡大し、子どもたちを傷つけ夢や希望を踏みつぶしている。

2. ホリエモンは「博打打ち」!?
 失業率は四%台で高止まりし、三百万人もの完全失業者がいる。とりわけ若者の失業率は依然として十%近い状況である。就職していても、年収百万円?二百万円ほどの非正規の低賃金労働者が増え続け「ワーキングプア」といわれている。正社員であっても、賃金カット・年金カット・退職金カットされ、その上に「査定昇給」で差別を受けるのである。正社員の平均年収は、年間二二万円ダウンしている。全労働者の給与は約二・五兆円マイナスしたことになる。一方、財務省の法人企業統計調査によると、小泉内閣発足前の二〇〇〇年度から二〇〇四年にかけて「資本金十億円以上の大企業の経常利益は、約六・四兆円伸び。役員報酬・配当も約一・九兆円アップ」している。トヨタの純利益は一兆三千億円にもなり、サラ金五社で五六八〇億円も儲けている。規制緩和で法律をすり抜けて大儲けをした『ホリエモン』を、政府はもてはやした。株で大儲けをしている彼らには、規制緩和・減税の恩恵と外国資本の影がついて回っている。投機で金儲けする行為は、誰かが損をするから儲かるのである。仕事というより博打と思うのは古いのだろうか。まして、小学校で『株の売買』を教えるというのは到底納得できない。労働や生産の意味が問われている。労働組合の存在が問われている。経営者の言いなりに、賃下げ・リストラを容認するような「御用組合」であってはならない。憲法二十七条は、勤労の権利を謳っている。政府はすべての国民に仕事を保障しなければならないのではないか。

3. 教育費は世界一高い?海陽学園の学費は三五〇万円!
 また、子育て費用の高騰はすさまじいものがある。文科省の02年度の調査によれば、小学生の場合、一年間にかかる費用は一人平均二十九万二〇〇〇円、中学校で四三万四〇〇〇円である。このうち三分の二ほどは塾やお稽古ごとなどの費用である。大学生になればこの数倍の教育費が必要である。私学に行けば更に大きな負担になる。トヨタ・中電・JR東海などが創立した海陽学園の学費は年間350万円(全寮制男子校、食事付き)である。6年間で最低2100万円が必要である。金持ちでなくては入学できない。大手予備校の関係者は、「都会の金持ち層の子供は有名大学進学に有利な中高一貫校をめざす傾向にあります。社会に出て高収入を稼げる有名大学出身者の多くは富裕層の子供が占めることになる。実際、東大合格者の7?8割の親が年収1000万円以上と言うデータもあります」と言っている。利益を上げることが目的の企業が教育、福祉、病院、農業などの分野に進出してならないように決められていたが、「規制緩和」で公務の分野も含めて全てを儲けの道具にしようとしている。教育を受ける機会が、親の経済力で左右されている。子どもたちには何の責任もない。憲法二六条には「義務教育は無償」と明記し、国際人権規約第一三条「中等・高等教育の無償教育への漸進的導入」を謳っているのに。子どもたちにゆきとどいた教育を保障するのは、「平和的な社会及び国家の形成者として」育ってほしいからである。子どもたちが身につける力は、未来の社会に還元されるものである。「受益者負担」とか「応益負担」という考えは、教育基本法の精神に全く反している。

4. 小泉「構造改革」は、アメリカ資本の要求
 こんな格差社会・社会保障の貧困な将来不安の社会にしてしまったのは、自民党政権と米国追随路線を一層加速させている小泉政権である。1993年から行われてきた米国政府の日本政府に対する「年次改革要望書」通りの改革によって格差が拡大し続けている。10年も前から郵政民営化を要求し続けた米系外国資本は、簡易保険と郵便貯金を我が物にしようとし、次は「健康保険」を狙っている。「混合診療」を解禁・拡大すれば、アメリカ並の莫大な医療費(手術をすれば100万円にも…)の自己負担を前に、多くの国民が医療保険に入ることになると想定している。命の存続も金しだいになる。さらに「小泉改革」を続ければ、東京と岐阜の格差が一層広がる。格差の中で、子どもたちの心も体も歪んでしまう。子どもたちを企業や国家の道具・人材にしてはならない。子ども自身が無条件に、社会の宝物である。それは、子どもたちが未来を担う存在だからである。

■財界のねらい
● 1995年4月に経済同友会が発表した「学校から合校へ」は、端的に言えば「学校の民営化」である。教育を民間企業に開放し儲けの対象にしようというものである。
●1995年に発表された日本経団連の「新日本的経営」日本経団連は、1995年に「新日本的経営」を称して、圧倒的労働者を非正規雇用にする施策を発表した。日本企業の求める人材は、@終身雇用の少数のエリート、A専門分野に通じたスペシャリスト、そして、B圧倒的多数の低賃金の非正規雇用労働者である。経済のグローバル化のなかで労働者に犠牲を押し付け、ボロ儲けを維持しようとしている。


II「構造改革」は子どもを大切にしない

 本当に、今の日本は「子どもを大切にしない国」だとおもう。子どもを大切にしていない実状は枚挙にいとまがない。大きくまとめると、@親の長時間労働で失われた家族の団らん、A格差の増大で経済的貧困化と教育費の増加、B戦争する国に向けた憲法・教育基本法の改悪、C競争と管理の教育、D子どもを儲けの対象にする商品文化、などである。「構造改革」が「子どもを大切にしない国」をつくっている。「荒れ」や「キレる」「暴力事件」を自己責任で片付けてはならない。

1. 生活科で学んだ小一の子が、家庭で土筆料理を
 本来、子どもたちは学校で新しいことを学んで、明日も学校に行きたいと思うものである。宮川小の一年生生活科の授業「採って食べよう、栽培して食べよう、加工して食べよう」を、親の手紙からのぞいてみる。「昨日、夕食にケンが土筆の料理をつくると言って、土筆を摘んできて、先生がやったやり方を思い出しながら、つくってくれました。私も娘も食べたことがなかったので、びっくりしながら食べました。味付けが分からなかったようですが、とてもおいしくできあがり、アッという間になくなってしまいました。それを見てうれしかったらしく、また明日つくるとはりきっていました。味付けを先生に聞いてくると言っていたので、教えてやって下さい。私も珍しいものを食べることができて、うれしかったです。ありがとうございました」。子どもの自慢顔が浮かんでくる。子どもが、にっこり笑ってT先生に「味付け」を尋ねた様子が目に見えるようである。困難な条件の中でも、子どもたちに手厚い行き届いた教育実践を行っている仲間がいる。

2. 私学を退学し、公立単位制高校へ
 岐阜教組は、主任手当の拠出による寄付金で「就学援助制度」を実施している。「就学援助金(五万円支給)」の申込書には、どれもこれも経済的な困難な状況が綴られている。「私立の高等学校から転入(公立単位制高校へ)してきたが、その主な理由は私学の高額な学費を支払い続けることが困難だったためである。家族は、母・本人・妹・祖母の四人である。家計を支えているのは、母親の音楽教室の収入だけである。音楽教室の収入は僅かで、安定していない。本人はアルバイトはしていないが、家事を手伝って母親を助けている」。「教育は無償」が世界の流れなのに、「私学を退学した」「修学旅行に参加しない」など経済格差は広がっている。子どもたちはその下で苦しんでいる。行政には、「機会均等」「平等」を保障する責任がある。

3. 子どもの虐待が過去最高に
親による子ども虐待が後を絶たない。県内の子ども相談センターの二〇〇四年度のまとめによると、四〇七件と過去最高になっている。子育ての困難さと子どもたちの育ちにくい環境に心が痛むばかりである。そして、忙しさの中でこの子たちの話をじっくり聞いてやれない歯がゆさを、多くの教員が感じている。なぜ、児童虐待が増えるのだろうか。格差や将来不安が根底にあるのではないか。親が恐い、親を愛せない子どもたちの心は、どれほど歪み乱れるのだろうか。あまりに悲惨である。

4. 受験競争にうち勝つ自信??
 「私ってすごい!」と塾の夏期合宿で自信をつける子どもたち。「とにかく疲れました。でも、その分今は満足感を感じています。この特訓で夜遅くまで、勉強のために起きている自分が信じられませんでした。夜遅くまでやっていると、自分が思っている以上に勉強できるんだと、思えました。・・・眠気とだるさにうち勝たないとほしいものは手に入らないのだ!と思いました。自分のやる気を感じることができました。この特訓を通じて得た精神面の強さはとても大きいと思います。だから、特訓を終えても終点ではない」と綴る受験生。受験競争にうち勝つ自信も大事だと思うのだが、人間としての発達を保障する学校・地域・家庭がますますなくなっていないか。ますます、親子関係、異年齢集団の人間関係や環境問題や生活や政治の問題を考え創造する環境や実践が必要だと感じる。メールやゲーム、携帯・パソコンなど子どもたちの人間関係は劇的に変化している。遊び・いたずらと失敗体験などで育ち合う環境が求められている。

5. 弱さを出してもよいと思ったら、楽になった
 不登校・引きこもり・ニートなど学校生活や社会生活に対応できない子どもたちは、ある意味では最も人間らしい感性なのではないか。彼らは教育あるいは社会への警鐘を鳴らしているのではないか。不登校の子の親が、「かつて不登校だった息子がやっと行き始めたアルバイト先で、上司たちがカミさんや娘に相手にされない寂しさを愚痴っているのを聞き、『職場ではこんな立派な人も弱いところがあるんだ。弱さを出しても良いんだと思ったら、とても楽になった』と話した」「学びだけでなく心の持ちようまで競争の対象にされる子どもたち。学びを拒否し、大人になることを拒否するのは当然のことです」と語る。子ども一人ひとりの実状に合わせた教育が求められている。

6. 朝食をとっている小学生は58%
 恵那の山間地の小学校の子どもの様子です。
 「田舎のこんな小さな学校(全校89人)でも家族みんなで朝食をとっている子は58%、ごはん(パン)、みそ汁(スープ)、おかずの揃った食事をとる子は63%、朝食抜き5%、一人で食べた7%でした。また、スイミング、英語、柔道、習字などの習い事に加えテレビ、ゲームに余暇時間をとられ、夜寝る時間はどんどん遅くなっています。『Aちゃん、友達は自分の思うとおりにはならんよ』と言いたいが、それは友達との交わりの中で学ぶことのように思われます。一度、学校や教師、他の親との関係が悪くなった経験があると、よけい慎重に成らざるを得ません。」

7. 「子どもの誕生日が来る度に不安が増す」障害者の親
 恵那支部が行った軽度発達障害の学習会には、幼保の先生・未組の先生・高校生を含めて八〇名もの参加があった。少子化の中でも確実に障害児が増えている現実、指導困難な子どもを目の前にして、教職員が悩んでいる。
 「手をつなぐ親の会」の一会員の訴えである。「可茂地区への特別支援学校設立要望について」次のように訴えている。
 「たいていの子どもさんを持つ親が成長の区切りとして楽しみにしている誕生日ですが、私たちは誕生日が来る度に不安が増します。私たち親も老いていきます」
 「次男のようなものが就職できるほど甘い見通しを持つことができません。」
 「地域で生きてゆくために、居場所と指導が年齢に関わらず生涯にわたって必要なのです。その第一歩として特別支援学校を新設していただくことを強くお願い申しあげます」。 この願いに応えたい。それは教育基本法を生かす道である。ところが、小泉政権(自民・公明)は「障害者自立支援法」を強行し、障害者にも応益負担を押し付けて「自立」を阻んでいる。障害者団体は、岐阜市国際会議場で千人を超す集会を行って「障害者自立支援法」に反対した。少子化の中で障害児は増え続けている。私たちの署名や住民運動で養護学校の新設が行われているが、教室不足を含めて不十分さが目立つばかりである。軽度の発達障害を抱える子どもたちへの教育は実に貧困である。しかも文科省は、「特別支援教育」という名で「障害児学級」をなくそうとしているが、私たちを含め多くの関係者の要求で押しとどめている。

■「スウェーデンの学校は天国」小2のYくん
両親と共に半年ほどスウェーデンで生活した、日本人の小学2年生は再びスウェーデンの学校に戻りたいという。その理由を彼は、「スウェーデンの学校は天国」と言った。まだ言葉も通じないのに、学校・授業が楽しいという。「算数は、僕が一番」「放課後は学童(保育)で楽しい」と言った。授業はとってもじっくりとフェイスtoフェイスで行われ、一斉授業など殆どないという。小学校2年生の彼は、母親の心配をよそに、再びスウェーデンに留学する父親について行くという。教育にとって、「楽しい学校」であることが第一条件だと感じた。
▼ Yくんの母親は、「OECD学力調査データでは、フィンランドもスウェーデンも日本も大差はなく、高水準にある。『問題解決能力』『考え判断する力』が弱いということが意外に問題視されていない。」「日本の子どもは、経済的要因に規定されて学力二極化が進んでいる。高等学校までは教育費は無償のスウェーデンと高学費(塾の費用も含めて)にあえぐ日本とでは、同じ土俵で学力を語ることに無理がある」と。



III職場・学校・教職員

1.「早くお帰りになって下さい」?
 ある支部ニュースによれば、「『事務所』の高圧的な姿勢が、現場をますます混乱させている。見せしめのように再訪問をちらつかせて『指導』に強引に従わせるのは、各学校の児童生徒の状態を考えて苦労している教育現場を理解していないのではないか」「上意下達の方法で『なぜ指示どうりできない』という指導では、今の教育の抱えている問題を解決していくことにつながらない」と。現場の苦労に寄り添うような指導が求められている。
 東濃西支部の議案書では「押し寄せる管理の波の中で、ともすれば私たちも『早く、きちんと、しっかり、がんばれ』と子どもたちを追いかけてきたのではないか」と悩み、子どもの側に立とうと呼びかけている。続いて、「教育委員会の担当者は、『早くお帰りになってください』といいながら、実際には勤務時間外に設定されている会議の指摘ひとつしません」と多忙解消に無策の実情を訴えている。組合連絡会議の勤務実態調査を突きつけても、「校長から聞いている」と勤務時間の実態調査を頑なに拒否する県教委の姿勢に通じている。

<戦闘後の疲労と同程度!!>岐阜新聞04/5/13
 三楽病院の精神科医中島先生は、「こうしたストレスを日々受けつつ、教師としての職務遂行と自分の健康維持とを天秤にかけながら子どもたちに向き合う先生たち、まじめで熱心な先生の悲鳴があちこちから聞こえてきそうではありませんか」と述べ、ILOが25年ほど前に校内暴力が深刻だった米国の教員への指摘を紹介している。「バーンアウト(ロケットの燃料が使い尽くされた状態)と呼ばれる状況が生じている。これは戦場における兵士たちの戦闘後のはなはだしい疲労状況と同様である、今の日本の先生もそれに近いのではないか」とのべている。


2. 「ゆとりがない、多忙になるばかり」・・・女性部ニュース
 女性部ニュースから紹介します。「今年から『五十一歳研修(岐阜地域小中学校)』『講師の研修』は始まった?何を研修するの?ゆとりがますますなくなり、多忙になるばかり…。だからこそみんなで歌ったり、学んだり集まって元気の出る企画を考えています(岐阜支部)」「指導書が学年一冊になったり、休んだ先生の代替保障がなかったり、環境の整備がなされずますます大変になっている(可茂支部)」「益々会議と点検が増えて、疲れ切ってなかなか分会(会議)が持てない。日々の実践に分会(会議)が持てない。日々の実践に追われて休むこともできない。何とか、今の状態を変えていきたいと思っているが…(西濃支部)」「高校では、成果を上げるため土曜日登校はもちろん夏休みも切りつめ授業が行われる学校が増えてきています。『いきいきプラン』のもと教師も生徒も振り回され、ほんとに生き生きできる学校はどこに?」「介護休暇がとりにくい。免許を取れとさかんにいわれる。多動な児童をかかえて…(中濃支部)」

3. 「朴葉寿司の会」「五平餅の会」全職員が参加する親睦行事
 日刊の「中工広場(中津川工業高校の職場ニュース)」から、職場の様子を紹介する。「初夏には朴葉寿司の会。初冬には五平餅の会。そんな季節の香りと食を味わう会が大々的になり、全職員が参加する親睦行事となった」。朴葉の会では、「朴葉の木が裸になるほど沢山の朴葉を取ってきてくれた人」「早々に卵とミョウガを差し入れてくれた人」「キャラブキの煮方を何人もの人がMさんから聞きだそうとしていまいたが、実は奥さんが煮たらしく当人はニコニコしているだけでした」と「みんなでつくって食べれば楽しい」様子が伝わってくる。職場で同僚とのつながりを回復する取り組みが求められている。雑談も、レクも、飲み会も、花見も、観劇もどんどん少なくなって、教養も人間関係も希薄になっている。世話役の活動を担って、少しでも働きやすい雰囲気の職場をつくりたいものである。

4. 会議のない『学級の日』を、みんなで相談してつくった
 日野小の「職場ニュース」から抜粋してみよう。「教員が目が回るくらい忙しくしていることは、子どもにとってよいのか。実際学期末に体調を崩された先生たちが数人いた。通院しながら教壇に立つ者もあった。放置できない気がした」「文科省の役員(矢野初等中等局長)がかつて国会(02年5月)で『1時間の授業のためには1時間の準備が要る』と答弁したことがあります。この発言は、私たちの実感と一致したものではないでしょうか。しかしまた、これほど現実の勤務実態と矛盾したものもないでしょう」。この学校では、みんなにアンケートし、論議を重ね、校長と相談し、会議のない『学級の日』をつくり、子どもとの懇談や作業日にしている。校長の反応は、「職員の多忙な実態は分かっているから、できることはしたい」ということだった。ささやかな前進かもしれないが、職員全体で取り組まれた貴重な成果である。

5. 「教育に臨時はない」
 小泉「行政改革」「小さな政府」論は、政府の福祉・教育・生活などの国民サービスの放棄である。公務員と国民を敵対させ、国民に負担を押し付けるものである。学校では、非常勤や常勤の講師の割合が、3割近くになろうとしている。民間企業と同じように人件費の大幅な削減が進められている。
 非正規雇用の増加は、財界の戦略である。日本のすべての職場で正規雇用が激減している。若者の中では、半数が派遣やパート・アルバイトである。将来不安は増すばかりである。
 教育の非正規化は教育を歪める。「ものが言えない」「再雇用の不安」「低賃金」など緊急な改善が必要である。私達は、「教育に臨時はない」を合言葉にたたかう。

6. 査定昇給に反対し、賃金交渉に全力を注ぐ
 公務員の賃金は今年度5%もカットされ、退職金も大幅に削減されようとしている。同じ教員でも東京と岐阜の賃金格差は更に大きくなる。教職員の待遇改善は教育条件の改善・教育内容の充実に直接つながっている。私たちは、組合連絡会議と共に賃金カット反対・査定昇給反対・長時間勤務解消の署名と団体交渉を行ってきた。署名は、短期間に五千筆を超えた。校長さんたちも「勤務評定で給与に差がつけば恨まれる。学校間の公平さを保つのは無理」と心配している。私たちは、賃金交渉に全力を注ぐ。私たちは、ゆきとどいた教育を行うために待遇改善を要求する。広く県民の方々と教育論議を行い、共同の取り組みを進める。今年度「35人学級」は小学校2年生まで実現したが、県教委は「3年生以上はやらない」意向である。私たちは「30人学級実現」「私学助成の充実」「障害児教育の充実」「教職員増」を要求して請願署名に取り組む。養護学校の新増設も請願署名と地域の運動による成果である。私たちの取り組みは、決して小さくない。

7.地域・父母と共同して、教育をつくる
 2月4日・5日関市小瀬で「子育て・教育のつどいin中濃」を開催した。600名を超える参加で大盛況でした。親、教職員、退職者、生徒、教育長、PTA会長など多彩な顔ぶれになりました。記念講演の講師の森川紘一さんは、「地域のぬくもりと熱気あふれる”つどい”に参加させていただき感謝します。父母・地域の人々との共同が、こんなにも人々に勇気と元気を与えるものなのかと、実感させていただき感動しています」と感想を寄せていただいた。森川さんの講演に、何度も涙して心も体も充実感でいっぱいの「つどい」となった。なんと言っても現地の「親さん」と教員の共同した実行委員会のパワーがすごかった。中濃支部長は、「8月から実行委員会を繰り返し、お母さんたちの明るいパワーに引っ張られながら実行委員会を進めてきました。・・・地域の親さんたちとの実質的な共同を創ってきたところが、今次『つどい』の新しい運動の側面になった」と語っている。各地で取り組んでいる「つどい」を多彩なメンバーで進めようではないか。一層、地域・父母との共同を進めたい。「学校評議員制度」のような形式的な学校開放でなく、上意下達の学校運営でなく、生徒・父母・地域・教職員が共同した「三者協議会」などによる民主的運営の「開かれた学校づくり」を目指している。子ども・生徒の参加を重視しなければならない。

IV. 憲法・教育基本法を守り生かす

 私たちは、県労連や憲法会議、新婦人など17団体で「憲法9条を守る岐阜県共同センター(9条センター)」を結成して2年になる。「有事法制に反対する岐阜県連絡会議」の活動を引き継いで、3年間毎週木曜日(正月をのぞく)の昼休みに名鉄岐阜駅前で街頭宣伝・署名を行ってきた。「自衛隊のイラクからの撤退」「憲法9条の改悪反対」を要求して、集会・デモ・学習会を行ってきた。
 岐阜県内の「九条の会」は、60を超え広がり続ける。岐阜市は校下ごとに「憲法・出前講座」を行い「○○校下・九条の会」を結成している。「教職員・九条の会」も次々と結成されつつある。
 教育基本法改悪は急を告げている。4月28日、政府与党(自民・公明)は、通常国会に教育基本法改悪案を提出した。「愛国心」を押し付け、「お国のために命を投げ出す」若者をつくろうとしている。国が教育内容に介入しようとしている。与党は3年間70回の密室協議を行った。国民的論議を保障しないで強行しようとしている。民主党の姿勢も、与党と改正の手続きほどの違いしかないようである。明治憲法と教育勅語は天皇のために命をささげよというものでしたが、憲法9条改悪・教育基本法の改悪はアメリカに国民の命を売り渡すようなものではないか。国民の声を大きく上げなければならない。私たちは、憲法・教育基本法の「語り部」となって支部・職場・地域で対話・学習を創り出してきた。東京の全国集会にも、バスで3回も参加してきた。先日、ある町の「九条の会」に参加する保守系の元議員が「憲法9条は守らなければならないが、教育基本法は変えた方がいい」と言ったと聞く。安倍晋三官房長官が「親が子どもを捨てたり、ホリエモンの事件もあった。根本には教育の問題がある。教育基本法の改正が必要だ」と言う。政府の責任転嫁であり、許し難いこじつけである。彼らは、手始めに教育基本法を変えて憲法9条を改悪しようとしている。「教え子を再び戦場に送らない」の誓いを大切に、子どもたちに平和と真実の教育実践を進めたい。
 在日米軍基地の再編強化が進められている。自衛隊と米軍の一層の一体化がねらわれている。しかも、私達の税金が米軍基地建設のために3兆円も使われようとしている。岩国市の住民投票をはじめとして、基地をかかえるすべての自治体で、日米政府に抗議の声が上がっている。
 憲法・教育基本法を守るたたかいは、世界の平和と命を守るたたかいにつながっている。

V. 団塊の世代の退職と岐阜教組の拡大強化を

 岐阜県教職員組合の年齢構成は五〇歳代が半数を超えている。団塊の世代が退職を迎える「二〇〇七年問題」は深刻である。岐阜県教職員組合が果たしてきた役割は大きなものがあったと信じている。「(1)県内各地に会館あるいは事務所と専従者(パートを含む)を持ち、地域に根ざして活動していること。(2)全労連・全教に加盟し、働く者の立場に立った運動を行っていること(使用者側・経営者側から独立)。(3)岐阜の教育運動・教育実践を私教連・組合連や民主団体、そして地域の市民団体や父母と共同して進めてきたこと。(4)人間らしく働くために、職場の声を大事に意見を表明し交渉してきた」など、県内の労働運動を担っている。この組合を大きくする事が、要求の前進につながる。
 私たちは、組合の組織を超えて様々な取り組みを進めている。採用試験対策講座と「センセのガッコ」には、講師の人を中心に参加が増えている。今、講師の人も、再任用者も組合に加入してもらっている。
 「資質向上研修」の予算は、三億円、一億6千万円、九千万円、四千八百万円ほどに縮小された。しかし、研修の内容は復帰を援助するような内容ではなく退職を迫るようなやり方である。組合として相談にのり交渉し、力を付ける援助をしてきた。困っている人、悩んでいる人を励まし支えるのが組合の役割である。ゆきとどいた教育の前進と多忙化解消、「査定昇給」による賃金差別を許さないために、岐阜教組を大きくする。

最後に
 真面目に働いても報われない社会、貧乏な人は一層貧乏になる社会、弱者を支えるのではなく弱者に負担を押し付ける政治、平等と安定でなく競争と格差の社会に発展はない。アメリカが、中南米に経済援助と引き替えに押し付けた規制緩和と市場原理は、完全に失敗した。「格差拡大」に反対する国民の声が、中南米に次々と反米政権を誕生させている。世界の流れは、「規制緩和・市場原理・新自由主義」を拒否し、平和・平等・自由の「もう一つの社会を」実現させつつある。流れを変える大きなチャンスである。
2006年度方針へ
岐阜県教職員組合 岐阜市美江寺町2-1 電話 058-266-5252 FAX 058-265-2079