第2章 聞き込み
そもそも参鶏湯という料理は、調理に時間がかかる。
ヒナ鶏の手足を落とし、腹を裂き、モチ米を煮て、
他の具といっしょに腹に詰め、糸で縛ってさらに煮る…。
急いでも2時間はかかるという。
もし韓国料理屋で、客の注文を受けてから作り始めたなら、
2時間待たせることになる。
現実的にはありえない。
さらに参鶏湯にはもう一つ弱点がある。
参鶏湯はあまり売れないのだ。
もし1日に5食とか出るのなら
あらかじめ腹に詰めるところまで、何匹分か仕込んでおけばいい。
その日に余ったとしても、次の日には出ていくだろう。
しかし実際は、1日に1度も注文がない日だってある。
だってアナタ、韓国料理屋で参鶏湯食いますか?
めったに食わないでしょ?
そんな現実の中で、韓国料理屋はどんな対策を取っているのか?
俺は韓国料理屋でメシを食いながら、
各店の参鶏湯対策をさりげなく聞き込んでみた。
どうやら対策は次の3つに絞られるようだ。
●破棄処分を覚悟で仕込んでおく
いつ出るかわからないが、2〜3匹は常に仕込んでおき、
古くなったら破棄する。
多少のロスは覚悟しなければならないが、いちばん常識的な対策だ。
チャム・セ・バン・アカン、さくらとけなり、味屋などがこの方法だった。
●参鶏湯は予約制に
「参鶏湯は2時間前に予約してください」
こんな注意書きを見たことがないだろうか。
これなら予約を受けてから、ゆっくり仕込めば間に合う。
一見さんが食えないというデメリットもあるが…。
キョンちゃん、グルタリ、華菜梨などがこの方法。
そして究極の対策がコレ。
●レトルトパックを使用
850円
原価が安くあがるのはもちろん、破棄によるロスを防げるのが大きい。
仕込みの手間も省けるし、客を待たせることもない。
いいことずくめのようにも思える。
つ・ま・り
楽して儲けるならレトルトが一番
ということ。
「金剛山」のオーナーが参鶏湯対策に行き詰まって
レトルト参鶏湯に走ってもぜんぜん不思議じゃないのだ。
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